雨樋の塗装は必要？劣化サインと塗り替え時期をプロが解説

外壁の塗装と聞くと、壁や屋根の部分だけを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実はお家の外回りにある「雨樋（あまどい）」の塗装もとても大切なんです。

「雨樋の塗装って本当に必要？」

「どんなときに塗り替えたらいいの？」

と疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。この記事では、雨樋の役割や塗装の必要性、劣化のサイン、塗り替えに適したタイミングについて、専門的な視点からわかりやすく解説していきます。お家を長く大切に使っていくためのヒントになれば幸いです。

 

 

1⃣雨樋の塗装は本当に必要？

「外壁は汚れてきたから塗り替えよう」と思っても、雨樋はそのままにしていませんか？
実は、雨樋も外壁と同じように紫外線や風雨の影響を受けて、少しずつ劣化していきます。
そのまま放っておくと、雨水の流れが悪くなったり、最悪の場合、雨漏りや建物へのダメージに繋がることもあるんです。

雨樋の役割とは？

雨樋は、屋根に降った雨を地面に流すための大切な設備です。もし雨樋がなければ、雨水が直接壁をつたって流れ、外壁や基礎部分を傷めてしまう原因になります。また、軒下に水がたまり、カビやコケが発生することもあります。

そのため、雨樋がきちんと機能しているかどうかは、お家全体の健康に大きく関わってくるのです。

 

なぜ塗装が必要なのか？

「じゃあ、壊れてから交換すればいいのでは？」と思われるかもしれません。でも実は、塗装をすることで雨樋の寿命を延ばすことができるんです。

雨樋は多くの場合、塩化ビニール（プラスチック素材）や金属製で作られています。これらの素材は、長年日差しや雨風にさらされることで色あせたり、ひび割れたりしてしまいます。
塗装を施すことで、紫外線や水分から雨樋を守り、見た目も美しく保てるのです。

 

美観だけでなく、コスト面でもメリットが

雨樋の交換は部分的であってもそれなりの費用がかかります。特に足場を組む必要がある場合、数万円〜十数万円の追加費用になることも。
しかし、外壁塗装と同時に雨樋の塗装を行えば、足場代も一度で済み、結果的に費用を抑えることができます。

定期的に塗装メンテナンスをしておけば、交換せずに済むケースも多く、長期的に見てとても経済的です。

 

2⃣雨樋の劣化サインとは？見逃さないためのチェックポイント

雨樋は、普段なかなか意識することの少ない部分ですが、定期的に状態をチェックすることがとても大切です。劣化に気づかず放置してしまうと、大雨の際に水漏れや溢れを起こし、外壁やお庭、さらには建物の内部にまで被害が及ぶ可能性もあります。
ここでは、雨樋の代表的な劣化サインについてご紹介します。

劣化サイン	状態	放置リスク
色あせ・ツヤ消失	紫外線で表面が劣化	ひび割れの前兆
表面のひび・はがれ	塩ビが硬化し割れる	水の浸入・破損
変形・ゆがみ	風・雪で曲がる	水が流れずあふれる
接合部の水漏れ	つなぎ目の隙間	外壁・基礎を傷める
詰まり（落ち葉等）	枯葉やゴミが堆積	逆流・雨樋の破損

これらのサインを見逃さないように、年に1〜2回は目視での点検を行うことをおすすめします。
特に台風や大雨の後は、雨樋に何か異常がないか確認する習慣をつけておくと安心です。

 

3⃣雨樋の塗り替え時期はいつ？タイミングの目安を解説

「雨樋の塗装は必要なのはわかったけれど、いつ塗り替えたらいいの？」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。塗装のタイミングは、劣化のサインを見逃さないことと同じくらい大切です。ここでは、雨樋塗装の適切な時期や、外壁塗装とのタイミングを合わせるメリットについて詳しくご紹介します。

一般的な塗り替えの目安は「10年に一度」

雨樋の塗装は、使用されている塗料や環境によって多少前後しますが、おおむね10年に一度のペースが理想とされています。特に塩化ビニール製の雨樋は、紫外線や気温の影響を受けやすいため、外観が変化してきたら要注意です。

また、海の近くや強い日差しが当たる場所では、5〜7年程度での塗り替えを検討するケースもあります。
塗膜がはがれてきたり、触ると白い粉（チョーキング現象）がついたりした場合は、早めの塗装が必要です。

 

外壁塗装と一緒に行うのがおすすめ

雨樋の塗装だけを単体で行うこともできますが、外壁塗装と同時に行うのが最も効率的です。なぜなら、どちらの作業にも足場が必要になるため、同時に行えば足場代を1回分に抑えられるからです。

また、外壁と雨樋の色のバランスを一緒に考えられるため、見た目の美しさも整いやすくなります。「外壁はきれいになったのに、雨樋だけ色あせたまま…」ということも防げるので、美観の面でも同時施工は大きなメリットです。

 

季節的なタイミングも大切

塗装工事には気候も大きく関係しています。雨の多い梅雨や、寒冷地の冬などは塗料が乾きにくくなるため避けた方が無難です。最も適しているのは、春（4〜6月）や秋（9〜11月）といった、湿度が低く気温も安定している季節です。

この時期であれば、塗装の仕上がりもきれいになりやすく、工期も予定通りに進みやすいため、業者にとっても施主にとってもメリットがあります。

 

4⃣雨樋塗装の流れと注意点

実際に雨樋の塗装をお願いするとき、「どんな作業をするの？」「家に居ながらでもできるの？」といった不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。ここでは、雨樋塗装の基本的な流れと、工事をスムーズに進めるための注意点について、わかりやすく解説します。

◆作業工程

 

5⃣雨樋塗装の費用相場とコストを抑えるポイント

「雨樋の塗装ってどれくらい費用がかかるの？」というのは、やはり多くの方が気になるポイントだと思います。ここでは、雨樋塗装の一般的な費用相場と、無理のない予算で施工するための工夫について、わかりやすくご紹介します。

雨樋塗装の費用相場は？

雨樋の塗装費用は、主に「塗装する長さ（m）×単価」で計算されるのが一般的です。

項目	金額の目安
塗装単価	1,000〜1,800円/m
一般的な戸建て（30〜40m）	3万〜7万円
足場代	15万〜20万円

※これはあくまで雨樋単体の塗装費用であり、別途「足場代（15万〜20万円程度）」や「外壁塗装費用」が発生する場合があります。

そのため、雨樋だけを塗装するよりも、外壁塗装とまとめて行う方が費用対効果が高くなります。

 

 

塗装は一度行えば、しばらくは安心して過ごせる大切な住まいのメンテナンスです。コストを抑えつつ、納得できる施工をしてもらうためには、計画的な判断が必要になります。

 

まとめ：雨樋塗装はお家を守る大切なメンテナンス

雨樋塗装は、お家を雨漏りや外壁劣化から守る大切なメンテナンスです。
色あせ・ひび割れ・ゆがみなどの劣化サインが出たら早めの対処が必要で、塗り替えの目安はおよそ10年。
外壁塗装と同時に行えば足場代も節約できます。

費用は3万〜7万円ほどで、下地処理や丁寧な塗り工程が仕上がりの質を左右します。
長く快適に暮らすためにも、信頼できる業者に相談し、雨樋の状態を一度チェックしてみることをおすすめします。